T.宮地岳営農組合の設立 |
- 宮地岳営農組合設立の経緯
○設立
転作作物(大豆・飼料作物)の作業受託を行い、転作の経営確立助成金の交付を受けるため、平成12年4月15日に設立。
○設立前は非生産性の転作
転作率が50%近くとなり、水稲を作りたくても作れない。転作は、農家の兼業化・高齢化により野菜などの作付けが進まず、その大半が飼料作物等の捨て作りや、調整水田、自己保全であった。
○転作制度の変更
平成12年度から始まった転作制度では、生産組織による麦・大豆・資料作物の3ha以上の作業受託により、圃場が団地化できなくても10a当り4万円以上の転作助成金の上乗せ(経営確立助成金)が受けられる。
○生産性の有る転作へ
大豆・飼料作物の作業受託により経営確立助成金の交付を受けることで、農業所得の向上につながる。
- 宮地岳農業振興会設立の経緯
○設立
中山間地直接支払制度に取り組むため、平成12年11月1日(実働は平成13年5月から)に設立。
○集落協定締結のための問題点
集落協定では、各農業が耕作不可能となった場合、新たな耕作者を探さなければならない。しかし、各農業の兼業化・高齢化が進み、耕作面積を拡大する農家がいない。このままでは、集落協定が締結できない。
○営農組合への作業受託で問題解決
先に宮地岳営農組合が設立されたので、各農家が耕作不可能となった農地は、営農組合に作業委託を行うことにより、問題を解決する。
○宮地岳町全体での取り組み
営農組合が宮地岳町全体を対象としているため、宮地岳町全体を一つの集落としてとらえ、宮地岳町全体で中山間直接支払制度に取り組むことにした。
○町全体(広範囲)で取り組むことによるメリット
・交付金の総額が多くなるため、農業機械購入等の積立金のかくも多くなり、有効に利用できる。
・町全体の営農計画が立てられる。
・複数の団地の農地を耕作する農家も、一つの協定に参加すればよい。
・経理や事務が一度に行え、事務局体制が作りやすい。 など
○集落協定の締結
最初は、耕作放棄が全く無い圃場整備が実施された水田を対象に、集落協定を締結。対象農家を集め、集落協定の内容説明と協定書への署名捺印を行った。集落協定参加者で「宮地岳農業振興会」を設立し、活動を始めた。
- 活動の発展
○2つの組織の統合
宮地竹町に2つあった組織、「宮地岳営農組合」と「宮地岳農業振興会」を、平成14年4月より『宮地岳営農組合』に1本化。
○統合の理由
宮地岳の各農家に営農組合と農業振興会の相違が理解されておらず、このまま縦割りの役割分担を続けても限界があると思われるため。
○新たな活動へ発展
当初は転作や中山間直接支払の助成金を受けるために組織したが、現在ではさまざまな活動に取り組んでいる。
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U.宮地岳営農組合の活動 |
- 営農組合の目的
○宮地岳町全体の農業と農地を守り、効率的な農業生産を推進し、農業所得の向上を目指す。
○宮地岳町の地域づくりと活性化に貢献できる活動を行う。
- 営農組合の事業内容(※全て集落協定に基づく活動)
1.宮地岳全体の営農調整
2.農作業受託
3.農業機械・施設の共同購入・共同利用
4.農地保全活動
5.農道水路の共同除草作業
6.鳥獣被害防止対策
7.景観作物の作付け推進
8.農業体験(子供農園・都市住民との農業交流)
9.広報活動
10.その他
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(1)宮地岳全体の営農推進 |
- 作付け団地化の推進
- 転作の推進
(a)大豆・飼料作物・飼料稲の推進
(b)ナタネの推進
(c)転作面積の集落調整の推進
(d)転作未達成農家への対応
- うまい米づくりの推進
(a)減農薬・地力増進の推進
(b)作業受託の推進
(c)新技術の導入
(d)うまい米コンテストの実施
(e)宮地岳米のブランド化の推進
- 生きがい農業の推進
(a)野菜共同圃場
(b)直売所の検討
- アンケート調査の実施
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(2)農作業受託 |
- 水稲り作業受託
- 転作作物の作業受託
(a)大豆・飼料稲
(b)飼料作物・飼料稲(畜産農家・たばこ農家分)
(c)ナタネ
- 遊休農地の作業受託
- 作業賃金(飼料作物・飼料稲を除く)
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(3)農業機械・施設の共同購入・共同利用 |
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(4)農地保全活動 |
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(5)農道水路の共同除草作業 |
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(6)鳥獣被害防止対策 |
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(7)景観作物の作付け推進 |
- 「田んぼに花が咲く町」づくり
- モデル圃場の設置
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(8)農業体験の推進 |
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(9)広報活動 |
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